会社法が施行されたことで、非常勤役員であっても「事前確定届出給与」という扱いで、 あらかじめ定められている支給時期や支給額を税務署に届け出ることで経費として認められますよ
通常なら、役員報酬として社長が年2,000万円の報酬を受け取った場合、
給与所得控除は270万円になります。
この270万円は法人の利益として加算され税金がかけられます。
ただし、①直前3年以内に開始する各事業年度の法人所得の平均額と
②オーナー役員の役員報酬の平均額の合計
③が以下の場合は、この規定は適用されません。
(1) ③の合計額が年1,600万円以下の場合
(2) ③の合計額が年1,600万円を超え3,000万円以下で、尚且つ②÷③の割合が50%以下の場合
たとえば、①が300万円で②が1,000万円の場合、③の合計額は1,300万円となりますので、規定は適用されません。
また、①が1,400万円で②が1,200万円の場合、③の合計額は2,600万円ですので(1)には該当しますが、
(2)の割合が46%ですので、この規定は適用されません。
しかし、①が1,000万円で②が1,400万円の場合、③は2,400万円となり、(2)の割合が58%となり、規定が適用されてしまいます。
つまり、会社の売上が300万円なのに社長の役員報酬が1,000万円では規定が適用されてしまうが、
会社が1,400万円の利益を上げていて、その範囲内で社長の役員報酬を決めれば、
たとえ年間1,000万円の役員報酬だったとしても規定は適用されないということです。
そのためには、以下のような対策を講じておく必要があります。
*オーナーとその同族関係者の株式を譲渡(売却)・贈与し、持ち株比率を90%未満とする
*同族関係者以外の常勤役員を増やし、その割合を過半数以上とする
では、役員賞与についても見ておきましょう。
従来は、役員報酬のように定期支給のものと役員賞与のように臨時支給のものは区分がされていましたが、
会社法が施行されたことで、役員報酬と賞与は区分されず一本化されるようになりました。
また、支給額を決めるのも、従来は株主総会の利益処分議案で決議されていましたが、
会社法が施行されたお陰で、上限さえ定めておけば、
その範囲内で支給時期や支給額を取締役の協議などで決めることができるようになったのです。
また、従来は法人化した場合の役員への賞与は、使用人としての立場にある役員、
つまり実質的にその会社の業務をこなしている役員ならば、
使用人相当額については経費として認められていましたが、非常勤役員に対しては認められていませんでした。
ところが、会社法が施行されたことで、非常勤役員であっても「事前確定届出給与」という扱いで、
あらかじめ定められている支給時期や支給額を税務署に届け出ることで経費として認められるようになりました。
もちろん、誰が見ても明らかに過大な部分は経費として認められません。
ちなみに、過大とみなされてしまう報酬の目安としては、
①職務内容、②法人の利益、③使用人への給与支給状況、
④同種同規模の法人役員に対する報酬などから総合的に判断されます。
ですから、売上が伸びたのであれば、使用人への給与や賞与も連動して引き上げることなどが対策となるでしょう。
いずれにしても、オーナーである役員やその配偶者・家族に支払う報酬や賞与などの役員給与を考えれば、
個人事業よりも法人化することのメリットが大きいのは言うまでもありません。
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